ようやく落ち着く



  母の精神薬を減量してから、二週間ぐらいは、禁断症状が続いた。
  ちょうど、薬が切れる時間帯になると、落ち着かなくなり、手のふるえ、舌のなめずり、意識の低下がみられた。
  また、運動神経のほうも、逆に動きが悪くなったりした。
  先週の訪問看護の際も、看護士さんと、いつものようにコミニュティセンターの図書室にいけず、近くを歩いただけだった。

  ちょうど、二週間目にさしかかったころから、朝、まず、足音が静かになった。
  廊下を叩きつけるような足音ではなくなり、普通に歩けるようになった。足の動きが少しスムーズになった。それから、禁断症状がなくなり、薬の切れる時間帯も、いつもどおり落ち着いてきた。
  また、こちらの話かけに対して、前よりも、返事が早くなった。
  「ああ、耳が遠いだけじゃなかったんだ」とはじめて知った。同じことを何べんも話さないと「わからない」というのは、耳が遠いだけでなく、頭が理解できないからだ。
  精神薬というのは、興奮をおさえるが、同時に頭の回転も遅くする。
  言葉の理解には、頭の回転が早くないと、なにをいってもなかなか理解できないのだ。

  今回のことで、日頃の母の様々な行動が精神薬の影響下にあることがよくわかった。
  年をとって、少しにぶくなったりは、しているが、母の場合、認知障害があったら、まず、精神薬を疑ったほうがいいとわかった。
  ただ、依然と幻聴もあり、減量中は、ときどき、幻聴による妄想もあった。今は、安定したので、もうなくなったが、「薬は必要だな」とも感じた。