[ディサービス記10/2]
今朝も、いつもどおり自分で起きて、朝食をすませ、着替えをして、迎えの車を待っていた母に、「どう?今は、週一回だけど、二回にしてみない?」と訪ねてみた。
母は、「二回は、多すぎる。一回がいい」とはっきりと意思表明した。
確かに、慣れてはきているものの、母にとっては、集団の中にいることはやはり精神的には負担なのだろう。
過去にも、そういう例が幾度もあった。たとえば、近所に仲良しの奥さんができて、はじめのうちは、とても楽しく交際していたが、ある時から、なんだか相手の一言一句に敏感に反応するようになった。そのうち、幻聴がひどくなり、やたら相手にいろんな品物をプレゼントする。それが、衣類の場合、相手の好みもあるのに、あげてから、着てくれないと気になる。そうすると、また、気に入ってくれるまでいろいろと物をあげる。
この繰り返しに、さすがに相手も閉口し、次第に用事があるといって、付き合わなくなる。そうすると、ますます幻聴はひどくなり、しまいに、「誰かがあの人に私の悪口を言ってるのだ」と思い込む。
こうして、数ヶ月たつと、「近所の人たちがいつも私を監視している」「役所に密告している」「探偵が調べている」というようにエスカレートしていく。
母の場合、人との距離がとれないのだ。だから、ディサービスでの付き合いは、なるべく浅くしてほしい。そのほうが、母には、よいのだ。
身体のことを考えると、週二回いくほうが、運動量もふえるからよいが、母の場合は、それよりも、精神面での負担のないような配慮が第一なのだ。
今日も、母はたいへんいい笑顔でディサービスから帰ってきた。とにかく、当分は、今のままで行こうと思った。
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