母のゴールデンタイム

 母は、一日の中で「ゴールデンタイム」というのを持っている。
 その時間帯は、別人のように頭の回転がよくなり、したがってとても物分りがよい。その上、いちばん前向きの考えになるのだ。
 逆に、ワーストタイムは、朝である。起きてからしばらくは、髪もぼさぼさ、別人のようにボケーとしていて、表情もなく、朝食も機械的に口に運んでいるだけである。しかも、天気がよかろうが、悪かろうが関心なし。家族がいっしょに食事していても、視線には入ってない。声をかけても、聞いているのかいないのか、確認のために何度も話さないといけない。大体、朝食後は、すぐに部屋にもどって、昼まで寝る。  
 今日は、また寒くなり、雨が降っていたので、やはり、午前中、近くの診療所に床ずれの治療には、「いけない」と言った。私は、すぐに午後の「ゴールデンタイム」がいいと思った。
 果たして、午後3時、母に「4時からだから、行ってね」というと、「はぁ、わかった」とのこと。すんなりと事が運んだ。
 それにしても、やはり、春が待ち遠しいなぁ。



 
 

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