参考になった本から

 PHPエル新書の「大切な人が心の病気にかかったら」(レベッカ・ウーリス 酒井泰介訳)は、アメリカ人の書いた本ですが、対処方法がとても具体的で参考になりました。
 特に、母の病状が最悪のとき、毎日どう対処したらいいのかわからず、不安の日々をすごしていたときに、患者と自分たち家族の関係について、気持ちの整理が出来、とても役立ちました。一部日本の精神医療の現場の事情とは、かみあわない部分がありますが、「愛情をこめて距離をおく」という言葉が一番印象に残ってます。
 幻覚や妄想への応じ方で特に注意すべきなのは、次の二つ。第一は、彼らが耳にし、目にし、嗅ぎ、感じ、信じていることは、私たちが知覚できなくても、彼らにとっては確かな事実ということを忘れないこと。そうした経験を見くびったり、バカにしたりすると、信用を失うだけのこと。
 第二は、とても快く楽しいことから恐ろしいことまで、幻想や妄想には様々な感情が伴うので病人が誤って信じ込んでいることや妄想の内容そのものよりも、相手の感情的状態に応じてやることの方が重要だということ。だから、そんなことはないのだと議論するよりもどうすれば安心できるかと聞いてあげることが大切。
 それまでは、母の幻聴や妄想については、否定して、ただ議論みたいな言い方や説得をしていました。しかし、母が「だれかが私の悪口を言っている」といったときに、この本を読んでからは、「大丈夫。いっしょに言い返してあげるからね」と母の味方につくようにしたところ、だんだん安心して、そういう妄想が少なくなったことがあります。
 いまでも、「風呂に入るなといわれた」と母が言えば、「今日は、むりしないでいいよ。聞こえてこないときに入ったらいいから」というと、その次の日からは、あまり同じ幻聴がおこりません。
 幻聴も、心のなかの「不安」から作り出されているのではないかなと思います。
 こちらの価値観で見ていては、ぶつかりあうだけで、かえって、事態を悪くするというのは、実践してみてわかったことでした。
 ですから、今ディサービスに通ってますが、もしなにか否定的な幻聴が聞こえたら、迷わず、休ませるという心づもりでいます。むりに通わせて、病気が悪化したら、元も子もありせんから。 
 
 

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