ディサービス記(4/24)

 朝は、いつもどおりひとりで起きたし、朝食もきちんと食べてたので、私はすっかり安心モードでいた。気がつくと、食後の薬を飲み忘れていたので、「薬、忘れてるよ」というと、母は元気のない暗い表情で、のそのそと薬をもって、台所へ行く。
 それをみて、「うつ」モードだなと気づいた。しかし、母はディサービスを楽しみにしているのは、前日連絡帳を渡したりしたときの様子でわかっていたので、この程度ならば、背中をぽんと一押しすれば大丈夫だと思った。
 母は薬を飲み終えて、「行けるかしら」と私に語りかけた。
 「大丈夫よ」といって、「着替えないの」と聞くと、普段着のままでいいと言い出す。服を選ぶ元気はないみたいだ。服を選んで、あとは母に任せることにした。あまり、しつこくすると、「こちらがディーサービスに行かせようとしている」と受け止め、かえってやる気をなくす恐れがあるからだ。
 30分ほど、家事をしてから、また母の様子を見に行った。
 すっかり、着替えを済ませ、髪もといて、コートまで着ていた。そのうえ、連絡帳と上履きの入った手提げ袋を玄関近くに置いて、靴まできちんとそろえていた。
 車がくるまで、いつもよりも、暗い表情をして、黙ったまま、坐っていたが、迎えの車がくると、私よりも先に玄関を出た。
 もちろん、帰ってきたときは、いつもどおり、にこにこばあさんに変身していた。
 
 

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