「歩くところぶ」という恐怖感が頭から離れない母は、ヘルパーさんが訪問してきても、室内ではいい表情でいるのに、「外を少し歩きましょうか」と言ったとたん、「足がふらふらで歩けない」と足を震わせ、急に顔色も悪くなるという。それで、ヘルパーさんも「負けました」といって、あきらめることがしばしばあった。
実は、私はそんな母を毎日根気強く、励ましたりして、なんとか歩かせていたのだが、ヘルパーさんは、そのことを知らなかったのだ。
母になんとか自信をつけさせるには、どうしたらいいかと思っていろいろと思案していたら、以前保健士さんが訪問してくれたときのことを思いだした。それは、膝を上げ下げする運動だ。簡単なものだが、はじめは坐ってやってもよく、できれば立ってやるというもの。
私は、それを自分で母とやってみた上で、ヘルパーさんにもお願いした。たとえ、外へ出たくなくても、室内ですこし足の運動をさせてほしいと思ったからだ。
ヘルパーさんは、いったんは承知したが、その後も母とは足の運動はしなかった。「どうせ、やらない」と思っていたというのだ。私は、再三「母とは、やってます」というと、ようやくするようになった。
こんな小さなことも、私から何度もお願いしないと、やってくれないのかと、母のことと共に、ヘルパーさんの対応に疲れた。
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