歯みがきしているだけ


 [ディサービス記6/19]

 母は、まだ「うつ」のトンネルは、ぬけていないようだが、なぜか、今朝は、がんばって起きて、ひとりで食事もすませ、薬を飲んだ。その後、部屋で身支度をしているときに、私が部屋をのぞくと、「体が動かない」と例のきまり文句を言った。
 しかし、その後も母は、横になるでもなく、ちゃんと、もっていく手提げの布袋を玄関先に出し、車を待っていた。
 ヘルパーさんも、「体が動かない」や「歩けない」というが、言ってしまうと、なんかすっきりするのか、その後は、さっさっと体を動かし、歩くという。私も、以前は、いちいちそのせりふを聞くたびに、あれこれと励ましたりしていたが、その必要はないようだ。
 どうも、理解ができないものの、私たちも、「ぐち」を聞いてもらうと、気持ちがすっきりするのと、同じなのかもしれない。その「ぐち」に対して、あれこれと説教されると、かえって気分が悪くなることもあるから。

 今日は、ディサービスで、口腔ケアがある日なので、歯ブラシを持参させた。
 帰ってから、どんな様子か、母に聞いてみた。
 「みんな、洗面所で歯磨いただけよ。」
 「なにか、指導されなかったの?話かけられなかったの?」
 「なにも、ない」
 面接指導してくれるということだと聞いていたのだが、これでは、様子がまるでわからない。母の場合、歯科衛生士がみんなになにか言っても、耳が遠いし、聞いてない可能性もある。だから、「面接」ならば、いいなと思っていたのだが。
 さっそく、連絡帳にこのことを書いて、様子を知らせてもらいたいと伝えた。それから、「うつ」状態なので、話かけてくださいと。そうしないと、まわりに関心がないので、なにも聞いてないから。ただ、まわりにあわせて、やっているだけで。
 
 今日は、母の部屋の掃除をして、タンスの中の整理もした。これから、着る夏物を目のふれるような配置でタンスにしまった。肌着も、ぐちゃぐちゃなので、半袖が見つからないと、長袖を着るので、これも、目につきやすいようにして。母の場合、「捜す」のがおっくうなので、タンスあけて、目につくところにないと、もうあきらめて、「着替えがない」といって、いつまでも、同じ服を着る。整理したら、タンスから私の倍のTシャツが見つかった。この夏は、困らないだろう。




オリエンタル系ゆり


 
 

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