背骨が曲がっている



  以前から、気になっていたが、やはり、母の背骨は曲がっている。
  少し前まで、まだ、立っているときに、背を伸ばすことが出来たのに、それも、今はしんどいらしい。だから、立っていても、頭は下を向いてしまう。

  壁にかかっている時計を見るときも、まず首を横にして、上を向いて見る。つまり、まっすぐに頭を上げてられないらしい。

  毎日、部屋にいるときは、正座で坐っていても、目は常に下を向いている。外の景色も見ないから、どんどん背が曲がる。
  もう、この数ヶ月、ほとんど毎日、見るたびに、「頭をあげて」といい続けた。いろいろと話もした。体に悪いことも。その都度、「わかった」といい、ほんの数分すると、もとのもくあみだ。

  「どうすれば、いいのか」看護とも相談したが、まったくいいアイデアはない。その上、私以上に、看護のほうは、母には遠慮がちになっているので、注意しても効果なし。
  母の場合、自発的にこうする。ということが、出来ない。まわりがなにか妙案を思いつかないとだめだ。
  たとえば、「私がいなくても、頭をさげてばかりはだめよと、思い出してね」と頼んでいても、まったく覚えていない。
  
  それで、今は、一日一回は、母と背中伸ばしの体操をする。ソファに坐って、首を背もたれに倒し、背筋を伸ばすのを、数分間やってみる。
  その姿勢を「覚えて」もらって、普段でも、下を向かずに、坐ったときにそうしてもらう。
  今のところ、私がいるときだけだが、ぜんぜんなにもしないよりは、いいらしい。
  本人も、背中を伸ばすほうが、気持いいと認識すれば、少しずつ、一人でもやるかもしれない。何ヶ月か、かかるが。

  昨日、ケアマネさんから、今月、ディサービスと看護と、みんなで、家でミーティングしたいという申し入れがあったので、了承したが、以前にもやったが、たいして効果はないと思う。結局、家族が動かないとなにもできないと思うから。
 
 

瞼のむくみがひんぱんにある


  以前は、たまにしか、瞼のむくみがなかったのに、この頃、目立ってきた。
  「むくみ」自体は、糖尿病の薬アクトスによるもので、足などにはあったが、瞼まで現れることは、あまりなかった。
  初夏に入り、むし暑くなるので、ますます気をつけなければならない。

  利尿作用のあるお茶や、瓜類の野菜を多くとるようにしょうと思っているが、本人が、水分を自発的にはとれないのが、難点だ。
  その上、またもや、お風呂は、いつも二時間も入っていて、呼びにいくまで出てこない。呼びにいっても、「なぜ、もう風呂を出なくてはならないのか」理解できない。
  以前は、反抗までされて、毎晩憂鬱な気分で、それでも、母を呼びに言ってた。
  だが、精神薬の減量後は、物分りが以前よりも良くなり、あまり抵抗しなくなった。なんとなく、長く入りすぎたらしいということは、理解しているらしい。

  あとは、「頭を下げている姿勢」を認識してもらうのが、一番のテーマだ。
  立っていても、坐っていても、下を向いている。当然、背中も曲がるし、頭への血流もわるくなる。説得すると、「わかった」といい、数分すると、また、もとのまま。
  私と夫の二名が、気付いては、促すものの、そのほかの人の言うことは、聞かないし。

  訪問看護のほうも、どうも、母とはコミュニケーションは、うまくとれていないらしい。
  一応、いろいろと話かけてはいるものの、母は、ただ、相手にあわせて、わかったという態度を示しているだけで、あとで、「なにを話したの?」と聞いても、「覚えてない」という返事が返ってくるだけだ。
  この場合、なにも、伝えていないと同じことだ。

  私の方は、なるべく、時間の空いたときに、母と体操をしているが、なんだか、自分が介護サービスをしているのと変わらない状況だ。
  ディサービスでも、母には、姿勢のことも考慮して体操をしてもらうようにお願いしている。
  ただ、看護士のほうは、母がちゃんと歩けないと思うと、すぐに切り上げて、戻ってきてしまう。私からすれば、母の場合は、運動不足だから、もう少し歩かないとだめではないかと思うが。
  いまでは、ヘルパーさんのほうが、慣れてくれて、いっしょに部屋の掃除や、そのあと、近くのコンビニまでの往復歩行もきちんとしてくれている。
  正直言って、こんなに個人差があるとは、思わなかった。

庭のホタルブクロ

 
 

精神薬の影響



  28日は、精神科の受診日なので、母といっしょに病院へ行った。
  主治医には、この一ヶ月の様子を伝えた。禁断症状のことも。
  先生は、「手の指を広げて、見せてください」といった。母の手は、すこし振るえがあった。
  「リスパダールという薬は、ふつうあまり副作用がないほうなのですし、振るえをとめるタスモリンも服用しているので、個人差でしょうかね」
   私は、禁断症状のひどいころよりは、ずっとよくなっていますと言った。先生は、尚「0.5mg減らしただけで」と少し納得できない様子でもあった。
   母の場合は、高齢者ということもあるのではないかと思った。一般的には、こんなに禁断症状は出ないのかもしれない。
   とはいえ、「意識のほうは、前よりもよくなっています」というと、それでは、このまま続けましょうということになった。

   母のほうは、相変わらず、毎日頭を下げた姿勢のままでいる。歩くときも、バランスがわるい。
   とはいえ、私とは、いろいろな体操がちゃんと出来ている。これが、不思議で仕方ない。
   前に、ケアマネさんが、母のような手足の動きは、パーキンソン病にも似ているとぃってたが、家庭の医学の本をよむと、母のように出来たり出来なかったりは、ないのではないかと思った。
   また、タスモリンという薬は、パーキンソン病にも処方される。精神薬の副作用として、振るえが出るからだ。
   母がはじめてリスパダールを飲んでから、二年ぐらいたった。そのころと今とでは、統合失調症そのものは、よくなっている。ただ、手足の動きは、やはり、緩慢だ。だから、間違いなく精神薬の影響と思う。

  また、あのころよりも、内科で糖尿病の薬や水虫の内服薬も飲んでいる。そういうものの影響がなくはない。
  最近、どうも、訪問看護のほうとは、前任者のようにコミュニケーションがとれていない感じがする。母は、正直で、そういうときは、訪問日も覚えていない。同じ日のヘルパーさんのことは、しっかり覚えている。それで、両者の関係がわかる。
  ディサービスは、楽しそうに語るので、安心している。
  私も、当分、母とは、体操を欠かせない。
 
 

ようやく落ち着く



  母の精神薬を減量してから、二週間ぐらいは、禁断症状が続いた。
  ちょうど、薬が切れる時間帯になると、落ち着かなくなり、手のふるえ、舌のなめずり、意識の低下がみられた。
  また、運動神経のほうも、逆に動きが悪くなったりした。
  先週の訪問看護の際も、看護士さんと、いつものようにコミニュティセンターの図書室にいけず、近くを歩いただけだった。

  ちょうど、二週間目にさしかかったころから、朝、まず、足音が静かになった。
  廊下を叩きつけるような足音ではなくなり、普通に歩けるようになった。足の動きが少しスムーズになった。それから、禁断症状がなくなり、薬の切れる時間帯も、いつもどおり落ち着いてきた。
  また、こちらの話かけに対して、前よりも、返事が早くなった。
  「ああ、耳が遠いだけじゃなかったんだ」とはじめて知った。同じことを何べんも話さないと「わからない」というのは、耳が遠いだけでなく、頭が理解できないからだ。
  精神薬というのは、興奮をおさえるが、同時に頭の回転も遅くする。
  言葉の理解には、頭の回転が早くないと、なにをいってもなかなか理解できないのだ。

  今回のことで、日頃の母の様々な行動が精神薬の影響下にあることがよくわかった。
  年をとって、少しにぶくなったりは、しているが、母の場合、認知障害があったら、まず、精神薬を疑ったほうがいいとわかった。
  ただ、依然と幻聴もあり、減量中は、ときどき、幻聴による妄想もあった。今は、安定したので、もうなくなったが、「薬は必要だな」とも感じた。
 
 

精神薬の減量


  4月30日は、精神科の診察日。母に付き添って通院した。
  「このところ、五感が鈍くなってきています。特に、近くで呼びかけても、ふりむかないし、肩をたたいても、一回ぐらいでは気がつかない時が多くなっています。相変わらず、足のほうは、動きがわるく、廊下を歩くのも大きな音を立てて、バタンバタンと歩いています」
  このところ、母は、曜日もわからなくなっている。ディサービスへ行く日は、けっして間違わないのに、それも、おかしくなってきた。
  いっしょに、風呂に入るときに、脱衣の介助をしていて、やはり足がこわばっているようだなと感じた。副作用で、いつも、舌のなめずりをしていたり。
  それらを聞いて、先生のほうから、
  「もう、そろそろ薬を減量しないとだめですね。少しずつ減量しないと、反動がでますから(禁断症状)、まず、朝だけ半分の量にしましょうか」
  「そうですね。夜は、落ち着いて寝られるほうがいいので、昼間の動きをよくするほうがいいと思います」
  そこで、朝のリスパダール1mg1錠を、0.5mg1錠に変更した。ほかの薬は、いままでのままで。これで、一ヶ月様子をみることに。
  
  薬の減量を4日経過した。
  足の動きは、前よりもスムーズになりつつあるが、まだ、朝は、まだにぶい。
  ただ、日中は、表情がすこし生き生きしてきた。
  まだ、薬の量に体が適応中なのか、複雑なことを言ったりすると「頭が回転していないから、わからない」という。
  たとえば、電子レンジの操作を忘れたので、何度も、いっしょに操作しながら、教えたが、「頭が覚えてくれない」とのことで、だめだった。
  また、夜は、薬を飲む前は、禁断症状なのか、舌のなめずりがはげしい。
  新しい薬の量に慣れるまで、もう少し時間がかかりそうだ。
  ただ、精神のほうは、安定しているので、よかった。